決勝の放送直後から大公開 番組未公開!シェフの裏話

髙木 祐輔

地域と向き合って
料理する大切さを、
この大会で学んだ。

髙木 祐輔(26)

東京都代表 / 中華
レカマヤジフ

2013年 東京都立農業高等学校食物科卒業、ザ・ペニンシュラ東京 ヘイフンテラス 入社。2019年 RED U-35 2019 GOLD EGG 受賞。2020年 ザ・ペニンシュラ東京 退社。Forbes Asia "Forbes 30 Under 30 Asia 2020"に選出。生胡椒の専門店が経営する新業態レストランにchefとして立ち上げから参加し、9月レカマヤジフがオープン。

「炒飯とカレーライス」は
自分自身の現在地を表した一皿。

僕は20代半ばの若手料理人として、挑戦者という思いで出場しました。当初は、優勝するためというよりも自分の成長を目的に、誰かに勝つというよりもテーマとどう向き合うかを大事にしていました。しかし、サバイバルラウンドで戦いを重ねるうちに、「この意気込みでは残れない、勝ちに行かなきゃ」と心境が変化していきました。
何度も試作を繰り返し、形を変えながら料理を作り上げていく戦いの日々。中でも印象に残っているのが「炒飯とカレーライス」です。頭に浮かんだアイデアを形にしたら、一発で8割くらいの完成度に。今まで得意ジャンルとして磨き上げてきた中華のスパイスと、テーマの卵が良い具合に組み合わさって、自然に湧き出てきた感じでした。自分自身の現在地を表現する一皿になったと思っています。

日本全国のシェフたちと交流。
その中で見えた、自分に足りないもの。

DRAGON CHEFで気付かされた課題の一つが、地域性の薄さでした。地方の料理人の方々は、当然のように地元の生産者とのつながりを大切にしていました。東京で生まれ育ち、東京で修業をしてきた自分との違いをとても考えさせられました。
それを顕著に感じたのが「地元食材」の回でした。僕が選んだのは、奥多摩わさび。実は今まで一度も触ったことがなく、自分への挑戦として選んだ食材でした。最終的には納得のいく料理を作れましたが、地域に対する思い入れが他の料理人に比べて薄かったというのは、否めない事実でした。
今後は、生産地に赴いてみたり、地方のお店にも目を向けてみたりと、今の僕にはない価値観を吸収していきたい。そうすることで、自分の料理をもっと豊かにできるのではないかと思います。

大会出場はメリットのみ。
挑戦する勇気を循環させたい。

コロナ禍の影響で飲食業界が苦しんでいるこの時期に、プレモルがDRAGON CHEFを開催してくれたことには感謝しかありません。この1年は、何かしたくても動き出せない世の中でした。特に僕のような成長途中の世代にとっては、本当にありがたい機会でした。
こういう大会に出場することにはデメリットがないと思っています。もちろん日々の仕事でも、上司、仲間、お客様から学べることはたくさんあるのですが、この大会でも、毎回テーマに向き合うことで、普段とは違った学びを得ることができました。これほど成長を促してくれる場は、なかなかないと思います。
周りを見ていると、「自分では審査に受からないから」「勝ち上がれないから」と出場をためらう人が多いものです。しかし、それは僕も同じ。僕が挑戦することで、同世代や下の世代の料理人に出場するメリットを感じてもらいたい。挑戦する勇気を循環させていきたいと思っています。

自分自身の成長を追求しながら、
若手料理人の夢の架け橋にも。

ジャンルや、国籍や、コンセプトなど。そういったものに必ずしもとらわれず、シンプルに、自分の作った料理をおいしいと思っていただけること。それが、僕の料理人としての原点であり、成長していきたい理由です。これから自分自身がどんな道を進もうとも、この考えは守り続けていきたいと思っています。
今回、20代の僕がここまで勝ち残れたのには、きっと運もあったはずです。それでも、一流の料理人の方々から評価を得られたことは、将来につながる大きな自信になりました。今回頂いた言葉は、ダメ出しも含めて大事にし、今後の成長の糧にしていきたいです。
一方で、僕自身も未熟な身ではありますが、同世代やさらに若い世代の料理人たちが、変化する時代の中でも夢や希望を持って前向きに歩めるよう、業界を盛り上げ、牽引していける存在になりたいと思います。

髙木シェフのように頑張った時はこれ!
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